粉粒体の衝突により材料の表面が損傷、除去される現象をエロージョン(Erosion)と呼ぶ。この現象は、輸送系において多く報告される問題であり、代表的なものとしては粉粒体の固気二相流による輸送系でのパイプベンド部が挙げられる。近年では溶融スラグを原料として製繊を行うローターなど、高温におけるエロージョン摩耗も問題となっている。本研究室では、ブラスト試験機を用いたエロージョン摩耗試験により、鉄鋼材料を初めとした、各種材料の評価を行ってきた。
今後の研究としては、各エロージョン摩耗要因からの摩耗量の定量的な評価、摩耗発生時のミクロ組織の変化、高温時の摩耗の解析が目的となる。
エロージョン摩耗のメカニズム
摩耗したパイプ内面
本研究室では、直噴式、吸引式、高温用の3つのエロージョン摩耗試験機を用いた実験を行っている。高温エロージョン試験機では試験温度を900℃まで上昇した実験を行うことで、より実際の操業条件に近い環境での測定を行っている。
吸引式ブラストマシン
高温エロージョン摩耗試験機
衝突粉粒体
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