金融機関向けものづくり目利き塾
- 2017年11月08日 22:14
- [ものづくり教室]
2017年11月8日(水)、9日(木)
場所:小樽商科大学
9月に本学にて行われた学生向けのものづくり目利き塾に続き、今回は小樽商科大学を会場に清水先生が出向いて金融機関向けの「ものづくり目利き塾」を開講いたしました。
このプログラムは、ビジネス展開における「企業の技術力・競争力の見立て」「マ-ケティング(新市場開拓、新商品開発、適正な価格設定等)」「資金調達(開発・販売等の各段階)」の課題について、産学官+金融の連携によって、それらの課題解決を円滑に進められる人材育成を目指すものです。企業の資金調達に関しては、主に金融機関がその技術力・競争力を適切に見極める力(=目利き力)を養うことで、担保や保証に依存しない円滑な金融支援が可能となり、地域産業の活性化につなげることが可能になると考えられます。このことから、その事業価値を見極める機能、すなわち「目利き人材の教育」を目的に、本学や小樽商大がその教育の中心となって、昨年度より開講しております。また、今回も「地(知)の拠点大学による地方創生事業(COC+)」も兼ねての開講となっております。
今回は、北洋銀行、北海道銀行を始めとする道内金融機関の行員の方々や、自治体、経済団体の職員の方々計20名が全2日間の日程で参加されました。
1日目の最初に、開講式とガイダンスを行ない、小樽商科大学グロ-カル戦略推進センタ-産学官連携推進部門部門長の李濟民教授と室工大清水先生が開講の挨拶を行いました。
その後目利き塾がスタ-トし、「ものづくりの歴史」というタイトルで清水先生が講義を行ないました。
次に、今回の最初の実習として錫を使った鋳造実習を行ないました。実際に作成する前に、鋳造に関する講義を聴講いただき、更に清水先生による手順説明をご覧いただきました。その後、いよいよ錫を溶かして作るカントリ-サインのペ-パ-ウエイト製作に取り掛かっていただきました。日頃のお仕事とは全く異なる体験に、戸惑いながらも非常に真剣に取り組んでおられました。
昼休憩を挟んで、午後からはバスにて㈱光合金製作所(朝里工場)に移動し、工場見学、その後は小樽商大に戻って、小樽商大の後藤先生による経営戦略の講義をを受講いただきました。
次に室蘭に本社工場がある企業を題材に、ケ-スディスカッションへと移りました。この会社は、自動車、OA機器、産業機器など様々な分野の金型・金型部品を製造している企業で、開発を含む金型の設計から製造の一貫生産を行っている企業をケ-ススタディの一例として経営戦略等をディスカッションしていただきました。
2日目は、まず、清水先生による目利きに対する講義を聴講いただきました。
その後、実習へと移り、製品の目利きに関するグル-プワ-キングを行っていただきました。経済産業省の「ものづくり日本大賞」を受賞した道内企業等の製品を例に、5班に分かれてグル-プ内で製品に関する討論や、インタ-ネットによる調査等の情報収集を行っていただきました。
お昼を挟んで午後は、最後に行われるプレゼンテ-ションのための資料作りに取り組んでいただきました。各班でのグル-プワ-キング終了後、まとめた内容についてプレゼンテ-ションを班ごとに行ない、企業の技術力を見極める能力を判定しました。
受講の最後に、清水先生からこの2日間の総括があり、総評をいたしました。
2日間に渡り、事業価値を見極める「目利き力」を養う日程にご参加いただきましたが、この経験が今後の職場での取り組みに役立っていただけることを願ってやみません。