第13回 理系学生応援プロジェクト2020
- 2020年10月29日 14:42
- [ものづくり基盤センターものづくり教室地域連携活動]
第13回 理系学生応援プロジェクト2020
2020年10月30日:札幌新川高等学校
今年度も理系学生応援プロジェクトを開催いたしました。
このプロジェクトは日本鋳造工学会との共催で、ものづくりの3Kイメージを払拭し、理系やものづくり企業就職に関心を持ってもらう目的で、普段の授業では体験できない製造業の現場を肌で感じてもらうような体験学習を行うプロジェクトです。
例年は各校の生徒さんたちに室蘭市に来ていただき、工場見学なども含めた1泊2日の日程で開催してきました。
2020年は、コロナ禍の影響で多くのイベントが中止する中、感染対策を十分にし、室蘭工業大学でも本年度初となる出前授業として開催しました。
今回は、いつも出前授業を実施している札幌市立新川高校です。
通常は、1・2年生を対象として、40名程度の参加者を集い実施してきたが、今回は3密を避けるために、人数を10名に制限。透明なアクリル板で席を区切るなど感染症対策をとった上で講義を実施しました。
はじめに、鉄の誕生による歴史と文化についての説明を行い、時代背景を示した上で技術について理解する重要性を強調しました。
その後、砂で型をつくり溶けたスズを流し込む鋳造に挑みました。
北海道ではお馴染みの市町村マークであるカントリーサインを型として、ペーパーウェイトを作ります。材料には、約350℃という比較的低い温度で溶ける金属である錫を利用しました。
二人一組になり協力して作業を進めますが、普段の生活では使わないような道具とやりなれない作業に、生徒さんたちは四苦八苦されていました。ただ、その分、作品が出来上がった時の喜びはひとしおのようで、素敵な笑顔をたくさん見ることができました。
まとめの講義では、現在の自動車業界が100年の一度の大変革期を迎えていることなどを例に挙げ、「みなさんが社会に出る頃には、ものづくりや労働の種類・環境など、今とは全く違った社会になっている。その変化に柔軟に対応するには、モチベーションが大事であり、挑戦した人にだけチャンスがある。何事にも熱意を持って、自分がやりたいことを早く見つけてください。」と締めくくりました。
リモート授業では砂の重さや溶けた錫の熱さなどの体験は得られないもので、生徒も目を輝かせていたし、明るい気持ちになってもらえたのではないでしょうか。
これからも、感染対策をした上で、出前授業に取り組む良い機会になりました。