KSML 国立大学法人 室蘭工業大学 清水一道 ものつくり研究室


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清水 一道 Kazumichi Shimizu 室蘭工業大学 もの創造系領域 材料工学ユニット教授

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第27回テクノカフェ

第27回テクノカフェ

27回テクノカフェ

2019224日(日)1030112012301400

場所:紀伊国屋書店札幌本店1階インナーガーデン

 

27回室蘭工業大学テクノカフェが、室工大ものづくり基盤センターと北海道新聞社室蘭支社の共催で、札幌市中央区の紀伊国屋書店札幌本店にて行われました。

テクノカフェとは、多岐に渡る「ものづくり」についての話を聞くことができる「講演会」や「体験講座」を催す企画です。


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 今年度2回目となる今回は、「極低温の世界を体験しよう!」というテーマで、テクノカフェ史上初となる科学実験ショーが行われました。

マイナス196℃にもなる極低温環境下では身近なものがどう変化するのか、花やバナナ、風船、ゴムボールなどを液体窒素に入れていきます。

一瞬にして凍り付いた花は触っただけで粉々になり、本来は柔らかいはずのバナナで釘が打てたりと、不思議な現象に参加者の皆さんは歓声を上げつつ、目をキラキラさせて実際に体験されていました。

また、加熱して液体状になった錫を水を張った水槽に注ぎ入れ、トゲトゲした形に固まる様子も観察しました。

 これらの実験によって、おなじ物質でも温度によっていろいろな見た目(状態)に変化することを学べました。

 この科学実験ショーには、北海道新聞の子ども向け紙面「週刊まなぶん」の子ども記者さんたちも参加しており、メモを片手に熱心に取材をされていました。

 

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 午後からは3名のゲスト(北海道ボブスレー・スケルトン連盟 副理事長 佐高博之氏、スケルトン競技 ソルトレークシティ・トリノ五輪日本代表 稲田勝氏、ソチ五輪日本代表 笹原友希氏)をお招きし、「鐵の街の技術で挑む スケルトン用国産ソリの開発」というメーンテーマのもと、清水先生がいろいろお話を伺いました。

 

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 現在、日本人選手が使うソリはほぼ全て海外選手から譲り受けた中古品であるため、体型に合わずバランスが悪く成績が伸び悩む一因となっているそうです。

そこで、2022年の北京五輪を目指し、室蘭のものづくりの力が日本選手の体格に合わせた国産ソリの開発に注がれています。

室蘭工業大学と室蘭市内の企業が進めているスケルトン用国産ソリは、昨年10月末にカナダのカルガリーで試走が行われ、終盤まで最高時速に近い速度を保つなど好タイムを記録しました。試走された笹原氏は、思わず「現役時代にこのソリに巡り合っていれば・・・」と口にされたそうです。

また先日215日には、スイスのサンモリッツで開催されたユースシリーズにおいて、網走南ヶ丘高校1年生の臼井貴将選手が国産ソリを使い4位に入賞しました。

一般的なソリは多くの部品を溶接でつなぎ合わせているのに対し、試作品は一枚板を加工機械で切り抜いているためソリの歪みで生じる抵抗を抑えることができ、それがこうした好結果につながっていると考えられます。

 

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工大から会場に搬入されたメダル製造機も30枚以上製造されるほど好評で、小さいお子様からご年配の方まで大勢の方がメダルを手にされていました。

多くの方々にご来場いただき、誠にありがとうございました。

今後も、テクノカフェを開催いたしますので、どうぞお気軽にご参加ください。

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